AI脆弱性診断とは:メリット・デメリットから従来の脆弱性診断との違いまで徹底解説
- シースリーレーヴ編集者
- 2024年7月26日
- 読了時間: 7分
更新日:2024年12月13日
近年のサイバー攻撃は、その手法を高度化し、頻度も増しています。従来のセキュリティ対策では、これらの高度化する攻撃に十分に対処できなくなってきています。そこで注目されているのが、AI脆弱性診断です。
人工知能(AI)を活用することで、従来の脆弱性診断では見つけられなかったような複雑な攻撃パターンや未知の脆弱性を検出することができます。これにより、より高度なセキュリティ対策を実現し、企業や組織のITシステムを保護することができるのです。
本ブログではAI脆弱性診断について紹介します。
セキュリティ対策が気になっている人は是非参考にしてみてください。
AI脆弱性診断とは何か?
AI脆弱性診断とは、人工知能技術を活用して、コンピューターシステムやネットワークの脆弱性を自動的に検出し、分析する手法です。従来の脆弱性診断では、主に人間のセキュリティ専門家が手動で行っていた作業を、AIが自動化することで、より効率的かつ正確な診断を可能にします。AIで大量のデータを分析し、複雑なパターンを認識することで、人間では見つけられないような微細な脆弱性も発見することができます。その他にもAI脆弱性診断には多くの利点があります。
以下でAI脆弱性診断のメリット・デメリットについて簡単に紹介いたします。
AI脆弱性診断のメリット・デメリット
AI脆弱性診断のメリット
AI脆弱性診断には、従来の脆弱性診断に比べて多くのメリットがあります。
高精度な検出: 人間の能力を超えた精度で、未知の脆弱性も検出可能。
迅速な診断: 大規模なシステムでも短時間で診断が可能。
コスト削減: 人件費削減や、インシデント発生による損失の防止に貢献。
24時間365日の監視: 人間の介入なしに、常時システムを監視。
スケーラビリティ: システムの規模に合わせて柔軟に対応可能。
高度な分析: 複雑な攻撃パターンを分析し、その根底にある原因を特定。
適応性: 新しい脅威やシステムの変化に迅速に対応。
AI脆弱性診断のデメリット
一方AI脆弱性診断には、以下のような課題やデメリットも存在します。
誤検知: AIの誤った判断により、正常な状態を異常と判断してしまう可能性。
データの質: 学習データの質が、AIの精度に大きく影響。
説明可能性: AIの判断理由を説明するのが難しい場合がある(ブラックボックス問題)。
脆弱性診断とAI脆弱性診断の違いについて
従来の脆弱性診断とAI脆弱性診断
従来の脆弱性診断とAI脆弱性診断は、どちらもシステムのセキュリティ脆弱性を発見することを目的としていますが、その手法や発見できる脆弱性の範囲に大きな違いがあります。
従来の脆弱性診断は、主に既知の脆弱性データベースと照合し、システムに存在する脆弱性を特定する手法です。自動化ツールを用いて、システムの構成やソフトウェアのバージョンなどをスキャンし、データベースに登録されている脆弱性と一致するものを探し出します。
一方、AI脆弱性診断は、人工知能(AI)を活用することで、従来の脆弱性診断では発見が難しかった未知の脆弱性や、複雑な攻撃パターンを検出することを目指しています。AIは、大量のデータから学習し、パターン認識や異常検知を行うことで、従来のルールベースの診断では見つけられなかった新たな脅威を検出することができます。
項目 | 従来の脆弱性診断 | AI脆弱性診断 |
発見できる脆弱性 | 既知の脆弱性 | 既知・未知の脆弱性、複雑な攻撃パターン |
手法 | 脆弱性データベースとの照合、シグネチャベースの検出 | 機械学習、深層学習によるパターン認識、異常検知 |
精度 | 高い精度で既知の脆弱性を検出 | 未知の脆弱性に対する検出精度が向上 |
誤検出率 | 比較的高い | 誤検出を減らすためのチューニングが必要 |
AI脆弱性診断のテストの流れをまとめ
AI脆弱性診断でテストする流れを紹介します
テストの流れ
敵対的サンプルの生成: AIモデルを誤動作させるようなデータを意図的に作ります。これは、画像にわずかなノイズを加えたり、文章に意味の無い単語を挿入したりするなど、様々な方法で行われます。
AIモデルへの入力: 生成したデータをAIモデルに入力し、その出力結果を観察します。
出力結果の分析: AIモデルの出力結果が、正しいものか、それとも誤った判断をしているかを分析します。例えば、画像認識モデルで猫の画像にノイズを加えたところ、犬と誤認識された場合、これは脆弱性と判断されます。
レポートの作成(脆弱性の評価): 発見された脆弱性の深刻度を評価します。例えば、攻撃者が簡単に利用できる脆弱性なのか、それとも高度な技術が必要な脆弱性なのかを評価します。
対策の検討: 発見された脆弱性に対して、どのような対策を講じるべきか検討します。例えば、モデルの学習データを増やしたり、モデルの構造を変更したり、入力データを前処理したりといった対策が考えられます。
AI脆弱性診断の診断ツール
AI脆弱性診断はAIツールを用いて行われています、企業はこれらを活用して脆弱性を診断していきます。よく使われているAIツールを3つ紹介します。
1. MicrosoftとCounterfitツール
Microsoftは、AI脆弱性診断のためのオープンソースツール「Counterfit」を開発し、リリースしました。このツールは、AIシステムのセキュリティリスク評価を自動化し、企業が自社のAIアルゴリズムの堅牢性、信頼性を確保するのに役立ちます。Microsoftの内部で使用されるほか、外部のパートナー企業でもテストされており、AIシステムのモデルや環境に依存しない汎用性の高いツールとして評価されています (Microsoft Cloud)。
2. CloudflareとAI WAF(Web Application Firewall)
Cloudflareは、AIを活用したWebアプリケーションファイアウォール(WAF)である「WAF Attack Score」を導入し、脆弱性の検出と防止に成功しています。2024年初頭に発見されたIvanti Connect Secureのゼロデイ脆弱性(CVE-2023-46805とCVE-2024-21887)に対して、CloudflareはAIを活用して早期に攻撃を検出し、適切な防御策を講じました。このシステムは、攻撃スコアを算出し、スコアが低い(より悪意のある)リクエストを自動的にブロックする仕組みになっています (The Cloudflare Blog)
3. AI Vulnerability Database (AVID)
AI Vulnerability Database (AVID)は、AIモデル、データセット、およびシステムにおける失敗モードを記録するオープンソースの知識ベースです。AVIDは、セキュリティ、倫理、およびパフォーマンスに関する潜在的なAIのリスクを分類し、特定の失敗事例についてのメタデータ、影響指標、評価結果などを提供しています。このデータベースは、企業がAIシステムの脆弱性を体系的に評価し、対策を講じるためのリソースとして活用されています (AVID)。
まとめ
AI脆弱性診断は、従来のセキュリティ診断にAI技術を導入することで、より高度かつ効率的にシステムの脆弱性を検出する手法です。AIが持つ学習能力とパターン認識能力を活かし、人間では見つけにくい複雑な攻撃パターンや未知の脆弱性を発見することができます。
またコストを抑えることができたり納期を短くすることができるといった大きな利点があります。AI技術のさらなる発展とともに、AI脆弱性診断もより高度化され一般的になっていくでしょう。AI脆弱性診断は利点が多いためセキュリティ対策をお考えの方は是非検討してみて下さい。
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シースリーレーヴの「AI脆弱性診断」の特徴
従来の手動診断では数週間かかった脆弱性診断が、AIを活用することで最短1日で完了します。
最新のAI技術により、従来の手法では発見できなかった未知の脆弱性も検出可能です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!