アプリ診断とは?診断を行うメリットや費用、導入タイミングまで徹底解説
- シースリーレーヴ編集者

- 2024年9月17日
- 読了時間: 15分
現代のデジタル社会では、アプリを取り巻く環境はますます複雑になり、同時にセキュリティリスクも急速に増加しています。個人情報の漏洩やサイバー攻撃は、今や日常的に発生しており、特にモバイルアプリやWebアプリケーションにおける脆弱性は、企業や個人に深刻な影響を及ぼす可能性が高いです。これらのリスクを未然に防ぐためには、定期的なアプリ診断が欠かせません。本記事では、アプリ診断の基本概念から、診断を行うメリット、具体的なプロセスや導入タイミングまでを徹底解説します。アプリの品質向上や安全性確保に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.アプリ診断とは?
1-1. アプリ診断の基本概念
1-2. アプリ診断の重要性
2.アプリ診断を行うメリット
2-1. セキュリティの確保
2-2. パフォーマンスの改善
2-3. ユーザー体験の向上
3.モバイルアプリ診断の主な種類とその違い
3-1. iOSアプリ診断の特徴
3-2. Androidアプリ診断の特徴
3-3. iOSとAndroidの診断方法の違い
4.アプリ診断の具体的なプロセス
5.アプリ診断にかかる費用とは?
5-1. 自動診断と手動診断の費用の違い
5-2. パフォーマンス診断やフルスコープ診断の費用
6.アプリ診断を導入する最適なタイミング
6-1. 新機能リリース前
6-2. アプリのリリース直後
6-3. 定期診断の重要性
6-4. セキュリティインシデント発生後
7.まとめ:アプリ診断の必要性と導入のメリット
アプリ診断とは?

アプリ診断とは、モバイルアプリやWebアプリケーションが安全かつ正常に動作しているかを確認するために行われるテストのことです。特に、セキュリティの脆弱性やパフォーマンスの問題を発見することを目的としており、アプリの品質を高めるために非常に重要なプロセスです。
現代では、スマートフォンやタブレットを通じて多くのアプリが利用されていますが、アプリの安全性や使いやすさが十分に確保されていないと、利用者はすぐにアプリを削除したり、信頼を失ってしまう可能性があります。これを防ぐために、アプリ診断は欠かせないプロセスとなっています。
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アプリ診断を行うメリット

セキュリティの確保アプリ診断の主な目的の一つは、アプリに潜んでいるセキュリティ上のリスクを見つけることです。たとえば、アプリがハッカーに攻撃されやすい状態にあるか、個人情報が漏えいするリスクがあるかなどを診断します。一般的なセキュリティの脆弱性には、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などが含まれます。これらの脆弱性が放置されると、悪意のある第三者によってアプリを通じて機密情報が流出する危険があります。
パフォーマンスの改善アプリがスムーズに動作し、ユーザー体験が良好であることも重要です。アプリが頻繁にクラッシュしたり、応答速度が遅い場合、ユーザーはすぐにアプリを利用しなくなってしまう可能性があります。アプリ診断を行うことで、こうしたパフォーマンスの問題を早期に発見し、改善することができます。特に、リリース前に診断を行うことで、重大な問題を事前に防ぐことができます。
ユーザー体験の向上アプリがどれだけユーザーにとって使いやすいかも診断の対象となります。アプリ診断を通じて、アプリの使い勝手に関するフィードバックを得たり、操作ミスを誘発しやすい部分を発見することが可能です。これにより、アプリがユーザーにとってより直感的で使いやすいものになります。
モバイルアプリ診断の主な種類とその違い:iOSとAndroidの場合
モバイルアプリ診断には、主にiOSアプリとAndroidアプリの診断がありますが、それぞれのプラットフォームに特有の要素があるため、診断方法や注意点が異なります。以下では、iOSとAndroidのアプリ診断の主な違いについて詳しく解説します。
iOSアプリ診断の特徴
iOSアプリはAppleの厳格なセキュリティガイドラインのもとで開発されているため、セキュリティ診断の際には、Appleの規制に準拠したテストが求められます。iOSでは、アプリのセキュリティ管理が厳密にコントロールされているため、次のような診断項目が重要になります。
メモリ管理: iOSアプリは、メモリリーク(アプリが必要以上にメモリを使用し続けること)を防ぐために、厳格なメモリ管理が必要です。診断では、メモリリークが発生していないかを確認します。これにより、アプリがクラッシュするリスクを低減し、ユーザー体験を向上させることができます。
データの暗号化: iOSアプリでは、ユーザーの個人情報や機密データが安全に保存・通信されているかが重要です。診断では、アプリ内でのデータ暗号化が適切に行われているか、Appleのプライバシーガイドラインに従っているかを確認します。
プライバシー設定の確認: iOSでは、ユーザーの許可を得てデータにアクセスする必要があるため、位置情報やカメラ、マイクなどのアクセス許可が適切に設定されているかを診断します。この設定が正しく行われていないと、ユーザーがアプリを削除する原因になることもあります。
Androidアプリ診断の特徴
Androidアプリはオープンソースであるため、iOSに比べてカスタマイズ性が高い反面、セキュリティリスクが高まることがあります。そのため、Androidアプリの診断では、以下の点に特に注意が必要です。
アプリ間通信のセキュリティ: Androidアプリは他のアプリとデータをやり取りすることが多く、アプリ間通信に脆弱性が存在する場合があります。診断では、この通信が安全に行われているか、不要な権限をアプリが持っていないかを確認します。
外部ストレージの使用: Androidは、アプリが外部ストレージ(SDカードなど)にデータを保存することが可能ですが、この場合、データが暗号化されていないと不正アクセスのリスクが高まります。診断では、外部ストレージに保存されるデータの保護が適切かどうかをチェックします。
権限管理: Androidアプリは、インストール時にユーザーに対して多数の権限を要求することがあります。診断では、アプリが不要な権限を要求していないか、また権限の管理が適切に行われているかを確認します。例えば、カメラやマイク、連絡先のアクセスが必要ないにもかかわらず、そのような権限を要求するアプリはセキュリティリスクとなり得ます。
iOSとAndroidアプリ診断の主な違い
iOSとAndroidは、それぞれ異なる設計とアーキテクチャを持っているため、診断のアプローチも異なります。
セキュリティの厳格さ: iOSは、Appleの厳しいガイドラインに基づいて設計されているため、診断の際にはAppleのセキュリティ基準に適合しているかを重視します。これに対し、Androidはオープンソースであるため、アプリごとのセキュリティ設定に大きな違いがあり、診断の際には幅広い権限管理や外部アクセスの確認が必要です。
診断ツールの違い: iOS向けの診断ツールは、Appleの提供する開発環境(Xcodeなど)に依存する部分が多いですが、Androidはより多くの外部ツールやオープンソースの診断ツールを利用することが可能です。したがって、Android診断では複数のツールを組み合わせて使うことが一般的です。
プライバシー管理: iOSではプライバシー保護に関する要件が非常に厳格で、ユーザーからの明示的な許可が必要な部分が多いです。一方、Androidでは、ユーザーに表示される許可リストが多いため、診断時には過剰な許可要求がないかの確認が重要です。
IOSとAndroidでは、アプリ診断のアプローチや重要視されるポイントが異なります。それぞれのプラットフォームに適した診断を行うことで、アプリの安全性を確保し、ユーザーに信頼されるアプリを提供することが可能です。どちらのプラットフォームでも、定期的な診断を実施し、セキュリティリスクを最小限に抑えることが成功の鍵となります。
アプリ診断の具体的なプロセス
アプリ診断は、大きく分けて以下のステップを経て実施されます。
事前準備: 診断対象のアプリの仕様や構造を把握し、診断範囲を決定します。この段階では、アプリのソースコードやドキュメントをもとに、どの部分が診断対象となるかを明確にします。
自動診断: 専用ツールを使用してアプリの自動スキャンを実施します。ツールによって、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、一般的な脆弱性を検出します。
手動診断: 自動診断で見つからない、特定のビジネスロジックや認証の問題などを手動で確認します。この手順では、攻撃者の視点からアプリの脆弱性をチェックします。
診断結果の報告: 診断結果をまとめ、発見された脆弱性や問題点を詳しくレポートします。さらに、それに対する修正方法や改善策も提案します。
このプロセスを通じて、アプリ診断は不具合の原因を特定し、迅速に修正するための手助けとなります。
アプリ診断にかかる費用とは?

アプリ診断の費用は、診断の範囲や深さ、使用するツールによって大きく異なります。一般的に、簡易的な診断ツールを使った自動診断は、数万円から十数万円で済む場合があります。一方、手動診断を含む詳細な診断は、数十万円から数百万円に達することもあります。
以下にて具体的にどのくらいの費用がかかるのか紹介します。
1. 自動診断の費用
自動診断は、専用のツールを使ってアプリの脆弱性をスキャンするもので、手軽に行える一方で、手動診断に比べて検出範囲が限られます。たとえば、以下のような自動診断ツールの利用が考えられます。
OWASP ZAP: 無料で利用できるオープンソースツール。基本的な脆弱性スキャンが可能で、主に小規模なプロジェクトや限られた予算のプロジェクトに適しています。自社でこのツールを使用する場合、ツール自体は無料ですが、社内リソースを使用して運用するため、実質的なコストは社内工数分です。
Burp Suite (コミュニティエディション): 無料版もありますが、より詳細な機能が必要な場合には、プロフェッショナル版(約5万円/年)が必要です。小規模な自動診断に最適で、初期費用を抑えつつも、手動診断の一部をサポートすることも可能です。
自動診断ツールを利用して診断を依頼する場合、料金は10万円~30万円程度が一般的です。診断範囲が広がったり、特定の脆弱性に絞ったテストを追加することで、追加費用が発生することもあります。
2. 手動診断の費用
手動診断は、セキュリティの専門家が実際にアプリケーションを操作しながら脆弱性を見つける方法で、自動診断では検出できない脆弱性やビジネスロジックに関わる問題を特定できます。手動診断の費用は、自動診断に比べて高額ですが、その分診断の精度も高まります。
iOS/Androidアプリの基本的な手動診断: アプリの基本的な機能やユーザー認証、データ送受信部分に対する手動診断は、50万円~100万円程度が相場です。この価格には、診断結果のレポートや改善提案が含まれます。小規模アプリやスタートアップ向けのサービスとしては、簡易的な手動診断であれば30万円~50万円で提供される場合もあります。
Webアプリケーションの詳細な手動診断: 特にビジネスロジックが複雑なWebアプリケーションでは、詳細な診断が必要です。こうした診断は、脆弱性の網羅的な検査や攻撃シミュレーションなどを含み、費用は100万円~300万円程度が見込まれます。
3. パフォーマンス診断の費用
アプリのパフォーマンス診断は、セキュリティ診断とは別の観点で、アプリの応答速度や安定性を測定します。特に大規模なトラフィックが想定されるアプリでは、パフォーマンスの最適化が必要です。
基本的なパフォーマンス診断: 通常の使用状況での診断は、30万円~50万円が相場です。これには、サーバーの負荷テストやアプリのレスポンス時間測定が含まれます。
負荷テストを含む詳細なパフォーマンス診断: 大規模なトラフィックをシミュレーションする負荷テストや、複数のデバイスを使った詳細なパフォーマンス診断は、100万円~200万円ほどになることがあります。大規模なアプリや、グローバルに展開しているアプリでは、これ以上の費用がかかる場合もあります。
4. フルスコープ診断の費用
セキュリティ診断とパフォーマンス診断の両方を含むフルスコープ診断は、総合的なアプリの品質を確認するために行われます。このタイプの診断は、企業がリリース前やアップデート前に実施することが一般的です。
中規模アプリ: 例えば、1万~10万ユーザー規模のアプリのフルスコープ診断は、150万円~300万円程度かかります。この価格には、セキュリティの脆弱性チェックや、サーバー負荷、アプリの応答速度の測定が含まれます。
大規模アプリ: 数十万~数百万ユーザーを抱える大規模アプリの場合、診断費用は500万円~1000万円以上になることもあります。診断範囲が広がるにつれて、チームがより多くの時間とリソースを割く必要があるため、費用も比例して増加します。
コストを出来るだけ削減するには
コストを削減するためには、次のポイントに注目すると良いでしょう。
自動診断ツールを活用する: 無料で利用できるオープンソースのツールを活用することで、診断費用を抑えることができます。
診断範囲を絞る: アプリの重要な機能やセキュリティ上のリスクが高い部分に診断を絞ることで、費用を削減できます。
定期的な診断の導入: 定期的にアプリ診断を行うことで、脆弱性が蓄積する前に対処し、大規模な修正が必要になるリスクを減らせます。
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アプリ診断を導入するタイミング

アプリ診断を実施するタイミングは非常に重要です。診断を行う時期によって、セキュリティリスクを未然に防ぎ、アプリのパフォーマンスを最大限に向上させることができます。適切なタイミングで診断を行うことで、無駄なコストをかけずに問題を発見し、修正することが可能です。ここでは、アプリ診断を導入するべき最適なタイミングと頻度について説明します。
1. 新機能リリース前
新しい機能や大規模なアップデートをアプリに追加する前は、最も診断を行うべきタイミングの一つです。新しいコードや機能が追加されると、それに伴って新たな脆弱性やバグが発生する可能性が高まります。この段階で診断を行えば、ユーザーに公開する前に問題を発見して修正できるため、リリース後の不具合によるトラブルを回避できます。
例えば、モバイルアプリに新しい支払い機能を追加する場合、支払い情報の暗号化や認証プロセスに脆弱性がないかを事前にチェックすることが不可欠です。ここで診断を行うことで、ユーザーの信頼を損なうリスクを回避できるでしょう。
2. アプリのリリース直後
新機能のリリース後にも診断を行うことは非常に有効です。なぜなら、実際のユーザーがアプリを使い始めることで、新しい問題が発生することがあるからです。特に、アプリの初期段階でのフィードバックやバグ報告に対応するためにも、リリース後に診断を行うことで、実運用の中での問題を早期に修正できます。
このリリース直後の診断は、ユーザーの行動データを分析し、予期しなかったクラッシュやパフォーマンスの低下を特定するために役立ちます。
3. 定期的な診断(半年から1年ごと)
アプリ診断は、定期的に行うことが非常に重要です。なぜなら、セキュリティの脅威や技術的な変化は常に進化しているからです。特にセキュリティ診断においては、新たな脆弱性が常に発見されているため、定期的にアプリを診断して脅威に対応する必要があります。
半年に1回の診断を推奨するケースが多く見られますが、セキュリティリスクの高いアプリやユーザー数の多いアプリでは、より頻繁に診断を行うことが求められる場合もあります。たとえば、金融や医療アプリでは、3ヶ月に1回程度の診断が適切です。
定期診断を行うことによって、問題が大きくなる前に対処でき、長期的なセキュリティリスクやパフォーマンス低下を未然に防ぐことが可能です。
4. セキュリティインシデント発生後
アプリがセキュリティインシデント(ハッキングや情報漏洩など)に遭遇した場合、直ちに診断を行うことが不可欠です。この段階で診断を行うことで、攻撃者がどのように脆弱性を利用したのかを特定し、迅速に修正を行うことができます。また、インシデント発生後の診断により、他の未発見の脆弱性を見つけることも可能です。
例えば、大手企業のアプリがハッキングを受けた際には、直後に詳細な診断を行い、脆弱性を修正した上で再度リリースするケースがよく見られます。
5. アプリの大幅な改修やインフラの変更時
アプリのインフラ(サーバーやデータベースなど)を変更したり、システムの大規模なリファクタリングを行う場合も、アプリ診断を実施するタイミングです。インフラの変更に伴って、アプリの動作が影響を受ける可能性があるため、パフォーマンスやセキュリティの問題が発生しないかどうかを確認する必要があります。
特に、サーバーの移行やクラウドサービスの導入に伴う変更では、データのセキュリティや通信の暗号化など、多岐にわたる診断が必要です。
まとめ
アプリ診断は、アプリの安全性やパフォーマンスを向上させるために欠かせないプロセスです。セキュリティのリスクを早期に発見し、ユーザーが安心して使えるアプリを提供するためには、診断を定期的に行うことが非常に重要です。また、アプリの動作が遅かったり、クラッシュが多発する場合など、アプリ診断を通じて問題を特定し、改善することが可能です。
アプリ診断を行うことで、企業はセキュリティ事故を未然に防ぎ、アプリのパフォーマンスを最大化できます。さらに、ユーザー体験を向上させることで、アプリの評価や信頼度を高めることもできます。
もしアプリの品質や安全性に不安がある場合は、情報漏洩などの重大な問題が発生する前に今すぐアプリ診断行いましょう。
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